日本酒の日々

晩酌飲兵衛が日々飲んでいる日本酒をご紹介します

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【宝剣 純米 八反錦(緑ラベル)】宝剣名水と地元の八反錦米で仕込む定番酒

蔵元杜氏さんは若い頃は相当な「やんちゃ」さんだったそうですが、蔵を継いでからはその男気の気合で酒質を向上させたそうです。蔵内から湧き出す「宝剣名水」と地元広島産の八反錦を使うこだわりの酒です。

宝剣(ほうけん)純米 八反錦 火入れ (宝剣酒造・広島県呉市)

米:広島県産八反錦100% 精米歩合:60%

アルコール分:16度

香り:小さいが爽やかな果実香

冷やして飲む:透き通る口当たり。含むと微かに果実香を漂わせます。軽い甘さから始まり、中盤からの酸味、後半の強めの苦みから余韻までキッチリと苦みが残り切れます。

ラベルの文字からクラシカルな酒質を予想していたが、思いのほか今時っぽい香味で、だがそこまで甘かったりフルーティーだったりはしていません。きれいな液体に淡麗とも思える軽快な味わいは、甘み苦み酸味のバランスが良いためだと思います。そこに米の旨味も纏いながら、苦みでさわやかに飲める辛口酒です。

飲みやすくどなたにも好まれると思いますが、飲兵衛でも甘くなく果実香も微かなので好まれると思います。突出するものはなく個性は強くありませんが、綺麗でさりげない美酒です。肴にも合い、晩酌の日常酒として飲み飽きないでしょう。

開栓3日目:より柔らかくなりました。馴染んだ甘みと酸味とのバランスが良く、果実香は軽いアクセントとなり、後口の苦みはより強くなって辛く切れます。

お燗ではどうでしょう。

ぬる燗:旨味がグッと出ました。ぬるっとした口当たりから厚みを増した旨味を感じ、甘さは旨味と一体となり、後口の強めの苦みで飲ませる燗酒です。

熱燗:滋味深い。甘みも果実香も旨味の中に入り込み一つとなりました。やや甘さは残りましたが苦みでべたつかず、ぐいぐいと飲み進めます。鯖の塩焼きと焼き鳥の塩に柚子胡椒がバッチリと合いました。寒い夜にしみじみと飲ませる燗酒です。

飲み方:常温◎ 冷やして◎ ぬる燗◎ 熱燗◎

飲み手:初心者〇 一般◎ 飲兵衛◎

総評:綺麗で軽快な飲み口に、ほんのりと果実香と米の旨味を合わせ、苦みのキレで締めるバランスの良い酒。 日常酒として晩酌に、するすると飲み続けてしまう、飲み飽きしない酒ですね。

 

 

私の愛用する燗徳利はこちらです。

(小)

(大)

簡単にお燗ができて便利です。

 

【惣誉生酛仕込 特別純米】昔ながらの生酛造り・バランスの良い食中酒

生酛仕込みという昔ながらの製法。手作業で米をすりつぶし、蔵付きなどの天然乳酸菌にて酒母を育てるという手間のかかる手法。深い旨味と酸味からお燗に最適な生酛造りです。

惣誉 生酛仕込(そうほまれきもとしこみ) 特別純米 惣誉酒造(栃木県芳賀郡市)

米:特A地区山田錦100% 精米歩合:60%

日本酒度:+4~+5 アルコール度:15度

香り:清酒らしい米の香り 仄かに果実香。

軽く冷やして~常温で飲む:柔らかい口当たりから始まります。含むと透明感のある綺麗さ、少しの甘みがありますがそれを超えて酸味があります。中盤から旨味が膨らみ、清酒らしい米の香りを微かに感じます。後口には苦みが残り辛く爽やかに切れます。

強い甘味や嫌味な香味など無く、旨味を感じながらしみじみと飲める酒です。

生酛仕込みというと蔵元が熟成させた酒が多く、それには熟成由来のカラメル香などクラシカルな香りがありますが、この酒にはそういったものはなく、癖のない、生酛仕込みならではの酸味ですっきりと飲めます。

引っかかるものもなく、芳醇な旨味で飲み続けることができる酒です。突出する個性が少ないとも言えますが、食事の邪魔をする香味も無く、肴を引き立てる味わいのバランスの良い食中酒だと思います。

旨味と酸味と苦みの調和が織りなす純米酒です。まさに落ち着いた大人の酒と言えそうです。常温に近づくにつれ甘さと香味は強まり、米の香味が広がる中に旨味はさらにコクを増します。

開栓二日目はトロっとした口当たりになって、旨味も増え、透き通る綺麗さの中にコクがあって飲ませます。

では、生酛らしくお燗で味わいましょう。

ぬる燗で:甘みが出て、酸味は程よく、米の香味と旨味が膨らみました。苦みはまだ鋭く芳醇な旨味と合わさり、キレのある辛口の燗酒。まだ寒くなる前の時期でも食事と楽しめる燗酒だと思います。

熱燗で:甘みと苦みも後退し酸味が残ります。いかにも清酒の熱燗らしい味わいで、寒い冬の晩酌に似合う燗酒だと思います。

飲み方:冷やして〇 常温◎ ぬる燗◎ 熱燗◎ 

飲み手:初心者〇 一般◎ 飲兵衛◎

総評:軽く冷やしても常温もお燗も温度を選ばない万能な酒。しみじみ旨味を感じながら飲み続けられる晩酌&食中酒です。酒好きな大人の飲兵衛がだらだら飲むのが似合ってしまいます。

 

ちなみに燗をつけるこの酒燗器は、私が愛用する美濃焼の「黑結晶耳付き酒燗器」です。簡単に湯煎が出来ます。

専用の徳利とお猪口がセットでした。酒燗器にお湯を入れ、酒を入れた徳利を沈めます。持ちにくいので持ち手がある方が移動に楽です。

私は一人用の(小)130mlを愛用。使い方として、私はまず徳利になみなみと酒を入れ燗器に沈めます。時間はいろいろ試してください。まずはぬる燗程度で1杯、そのまま徐々に温め続け熱燗で飲み切ります。その後また徳利に酒を適量追加で入れ温度を下げながらぬる燗で楽しみます。

詳しい使い方はこちらに。

二人以上でしたら(大)270mlもあります。

これは簡単で便利です。しみじみと、寒い中にて燗酒を楽しんでいます。

【醸し人九平次 純米大吟醸 山田錦 EAU DU DESIR 2024年】まさにエレガントな酒

酒名に横文字が付いています。EAU DU DESIRとはオウ・ド・デジールと読んで、希望の水という意味だそうです。もうこれだけで気品があります。ワイングラスで飲むことを薦めてきた初期の頃の酒だと思います。フランスのブルゴーニュでワインも作っているこの蔵。ブルゴーニュワインは私も大好きですが、この酒にも共通するのはやはりエレガント(優雅・上品・気品・洗練)さを感じるという点です。ヴィンテージ(米収穫年)が記載されています。

 

醸し人九平次(かもしびとくへいじ)純米大吟醸 山田錦 EAU DU DESIR

2024年 

萬乗醸造(愛知県名古屋市)

米:山田錦 精米歩合:50% 酵母:協会9号系

アルコール度数16度

 

香り:甘い吟醸香 熟した果実のフルーティーさ

冷やして飲む:グラスの内側に気泡が付く程の微発泡感からのシャープな口当たりです。含むととてもフルーティーな、メロン、果実の香味が口中に広がります。甘くてしゅわっとしてそうですが、甘いのは香味の雰囲気で、それほど甘くはありません。それは程よい酸味があって輪郭をクッキリとさせているからでしょう、そして後半の苦みですっきりと切れていきます。

大吟醸らしいフルーティーさを楽しみながらシャープな切れを味わう酒だと思います。味わいに飛び出した部分が無くバランスが良いです。

ワイングラスで飲んでって、飲兵衛としては「何を気取って・・。」と思いましたが、この酒質ならそう飲んでも良いかもと感じます。とても綺麗な酒です。

華やか過ぎず甘すぎないので意外と肴にも合います。元日におせちと合わせました。繊細なものにも濃い味のものにも良く合いました。正月を飾るきれいな酒でした。

抜栓6日目:裏ラベルに時間による変化を楽しんでとあるので期待。

柔らかい口当たりになりました。やや少なくなった果実香、ほんのりと甘み、とろっとしてきた液体はまろやかで、ちょっとコクが出てきました。そして最後は辛味できっちりと切れます。

普段日本酒を飲まない方が抜栓時に苦く感じたなら、少し日数を経てから飲むのもおすすめです。

個人的な印象ですが、あの獺祭からの流れの「米を磨いて綺麗な酒質」というラインに位置している気がします。今のトレンドは芳醇旨口ですが、こういう気品のあるラインもアリだと思います。

飲み方:冷やして◎

飲み手:初心者〇 一般◎ 飲兵衛〇

総評:パリでも評判らしく、私もワイングラスで飲んでみたくなりましたが、そこはぐい飲みで飲むスタイルは譲れませんでしたw。カッコよく気取って飲みたい、そう思わせるような気品の漂う酒です。派手さや濃さに振っていないのは好感で、バランスよく、綺麗なだけではない飲ませる大吟醸酒です。

 

【十水 特別純米 大山】十水仕込みで濃醇旨口酒

「十水仕込み」で造られた酒です。十水仕込みとは江戸後期に確立された白米十石に水十石で仕込む方法です。現在は白米十石に水十二石で仕込むのが主流になっていますが、十水仕込みは水が1~2割少ないためより濃厚な酒ができます。その十石仕込みを現代に復活させたのがこの十水特別純米です。

十水(とみず)特別純米 (大山・加藤嘉八朗酒造・山形県鶴岡市)

米:山形県産はえぬき 精米歩合:60%

日本酒度:-5.5~-4.5 酸度:1.55~1.65

アルコール度数:15度

香り:とても微かな果実香

常温で飲む:まろやかで丸い液体はとても柔らかい口当たりです。含むと優しい甘味と微かな果実香をほんのりと帯びながら濃厚な旨味が膨らんできます。後半は酸味と軽い苦みで切れ、余韻の酸味も程よく味の輪郭を整えます。

日本酒度は甘口ですが、今風な華やかな甘さではなく甘さというより濃厚な米の旨味だと思いますし、その甘さはくどくはありません。コクがあり、かなり濃いめの味わいながら引っかかるところのないバランスの良さで、するりと飲んでしまいます。

濃いめの味付けの食事にも合うと思います。

華やかさは無いので酒だけを楽しむ方には物足りないかもしれませんが、肴と合わせて飲む方は旨さを感じると思います。

酒質としては透明感があり綺麗で飲みやすい酒です。この濃いめの旨味を肴と共に高め合い楽しめる飲兵衛仕様の食中酒だと思います。

抜栓三日目を冷やして飲む:冷やした分口当たりはシャープになりました。甘い香味から始まり、旨味が広がり酸味も出て濃いのに余韻は意外なほどすっきりします。果実香が少し強くなりましたが、濃厚さに加えてより切れも出て飲みごたえがあります。

この濃厚酒をお燗しない手はありません。

ぬる燗で:ほんのり甘く、それでいて苦みも出て切れの良い燗酒。濃厚な旨味そのままに、ほっこりと癒されながらも最後は切れるという、盃の止まらない燗酒。

熱燗で:これはシャープな燗酒です。旨味も十分ですが切れの方に舌が向きます。飲み飽きしない燗酒です。ぬる燗と熱燗の間くらいが丁度良いかもしれません。

飲み方:常温◎ 冷やして◎ ぬる燗◎ 熱燗◎

飲み手:初心者△ 一般〇 飲兵衛◎

総評:濃厚で旨味が膨らむ。甘いが旨味が甘さに勝るという飲兵衛でもいける甘さ。ふくよかなコクを楽しめ、常温でも冷やしてもお燗してもバランスよく飲めます。個人的にはお燗が気に入りました。こんなに濃いのにスイスイ飲めてしまう楽しい酒です。

 

【石鎚 純米吟醸 緑ラベル】上品さとバランスの良い蔵元イチ押しの食中酒

「食中に活きる酒造り」を目標とする愛媛県の石鎚です。その中でも蔵元イチ押しという定番酒です。

石鎚(いしづち) 純米吟醸 緑ラベル (石鎚酒造 愛媛県西条市)

「3杯目から旨くなる酒」を目指しているというのは、奥ゆかしさなのかそれとも徐々に旨味が広がり飲み飽きしない酒、ということなのか、飲んでみましょう。

米・精米歩合:麹米・山田錦21%を精米50% 

       掛米・松山三井79%を精米60%

日本酒度+3.0 酸度1.6 アルコール度16度

開栓時に少しのガス感

香り:微かに果実香が漂うような小さな吟醸香

冷やして飲む:ほんのわずかな微発泡感からのシャープさから始まるが、透明感のある液体はトロミを感じるくらいに丸く、口当たりは柔らかさを感じます。

ふんわりと旨味が口中に広がり、後半からちょうど良い酸味とやや強い苦みで切れていきます。

端麗な透明感と膨らむ柔らかさの競演です。華やかな香味や押してくる強い個性ではなく、柔らかい旨味が膨らむ好バランスの酒です。果実香はわずかで、食事や肴を引き立てるまさに食中純米吟醸酒です。

強い華やかな香味や甘さを求める方には合いませんが、初心者でも飲みやすさでおすすめできます。飲み飽きせずに肴に合わせて盃が止まらない程で、飲兵衛にもおすすめです。

お燗も美味しそうですが、冷やして飲み切ってしまいました。

飲み手:初心者〇 一般◎ 飲兵衛◎

総評:エレガントと呼びたくなる、すっきりとしながらも膨らむ旨味、くせのないバランス感が秀逸。押しつけがましさが無く一歩下がった場所から始まり、徐々に旨味が増していく飲み飽きしない良酒。綺麗で上品な食中酒を探している方に最適です。

【鳳凰美田 碧判 純米吟醸原酒 無濾過本生】フルーティー&フレッシュな冬季限定人気酒

栃木県の鳳凰美田です。ここの酒は全体に華やかなフルーティーさと微発泡感からのフレッシュで甘やかな酒、というのが個人的な感想です。その味わいは日本酒の最近のトレンドでもあるので人気が出てきています。

その中でも冬季に限定で出すこの碧判は、特にフルーティーな鳳凰美田らしい特徴が良く出ていて、普段日本酒を飲まない方や女性に人気の酒です。

鳳凰美田 碧判(ほうおうびでん あおばん)純米吟醸原酒 無濾過本生

小林酒造(栃木県小山市)

鳳凰美田の中では、マスカットを基調とした芳香を特徴とした自社酵母を使用した特別な造りをしているというこの碧判。

鳳凰美田の中でも一番人気だという話も聞こえます。ただ冬季限定なので入手できない時期もあります。

碧判の品質を保つために鳳凰美田では珍しいブレンド酒。

米:山田錦 五百万石 精米歩合:麹50% 掛55%

日本酒度±0 酸度1.5 アルコール度16度以上17度未満

抜栓時にシュポッとガス感。

香り:華やかで爽やかな果実香 まさにマスカット 甘い吟醸酒らしい香り

冷やして飲む:新酒の微発泡感からのシャープな口当たりから始まります。含むと口中は大きな果実香で一杯になり、舌先にチリチリと微発泡感が広がります。意外と液体自体は丸い印象です。後半から程よい酸味が輪郭を整え、最後は強い苦みでシャープに切れます。

爽やかで大きな果実香に、原酒ならではの濃厚な味が乗り、最後はシャープという構成。

華やかな果実香と甘みで肴は選びます。繊細な料理には合わないでしょうが、濃厚な料理なら合うかも。

フレッシュ感と濃厚さのハーモニーが楽しい酒です。

爽やかな果実香と甘さは普段日本酒を飲まない方におすすめです。それでいて濃厚、きっちりと苦みでシャープに切れるので日本酒好きな方も好まれると思います。

飲兵衛さんは・・・、うーん、甘いし果実香も濃さも押し過ぎ感があってちょっとやりすぎな感じもしますが。飲み疲れるといいますか、けど後半の苦みで飲ませると思います。

飲み方:冷やして◎

飲み手:初心者◎ 一般◎ 飲兵衛△

冬季限定の人気酒なので、早めに売り切れてしまいます。

総評:綺麗な果実香と原酒ならではの濃厚さが味わえます。ジューシーな甘さの中に苦みからのシャープな飲み口のある、濃いのに爽やかな酒です。

【稲造 純米吟醸 火入れ(山形正宗)】蔵元所有の田にて蔵人が栽培した米で造った酒

私の好きな山形正宗の酒です。蔵元が所有する田にて、蔵人が減農薬栽培で育てた米で醸した酒です。

稲造(いなぞう)純米吟醸 山形正宗 水戸部酒造(山形県天童市)

稲造とは、蔵元杜氏の水戸部さんの学生時代のあだ名で、新渡戸稲造から来ているそうです。ラベルは象と稲で稲造と面白い。

年ごとの米の違いを味わえるよう、ヴィンテージ(米の収穫年)が記載されています。

米:自社農園水戸部稲造産・出羽燦々

精米歩合60% アルコール度15度 二回火入れ

香り:華やかな果実香が程よく香る

冷やして飲む:第一印象はクリア、透明感。口当たりは小さな微発泡感、含むと甘やかな果実香が広がり、透き通るような液体は実に爽やかです。そしてシャープな苦みで切れます。

香味自体には果実香の甘さがありますが、微発泡感と少しの酸味とやや強めの苦みでぐいぐい飲ませます。純米らしい米の旨味も程よくあります。飲み進むにつれてシャープさから柔らかい味わいになっていきます。

1週間後に冷やして飲む:微発泡感は収まり、苦みが主体の味わいになってきました。飲み口は変わらず爽やかで、透明感を感じ続けます。果実香も弱まり甘さも後退し、酸味も出て苦みとともに切れるという、まさに飲ませる酒になりました。ドライな酒へと移行したので初心者は時間の経過にはご注意。飲兵衛には時間経過とともに肴に合う酒になって好感が持てます。

冷やして飲み切ってしまったのでお燗はしませんでした。

飲み手:初心者〇 一般◎ 飲兵衛〇

総評:綺麗な透明感のある爽やかな酒。果実香も上品で旨味も濃すぎず、バランスが取れている。時間経過とともに味わいは落ち着き、肴に合う食中酒となる。キレのある透き通る美酒。蔵にて栽培する米で醸すという点にロマンを感じます。